色校正って高い?

印刷物を作る際に、「色校正」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。この色校正、実は「高い」と感じられる方が少なくありません。今回は、なぜ色校正は高価なのか、その理由をプロの視点から解説します。


「実際の印刷」を忠実に再現するから

色校正が高価になる最大の理由は、実際の印刷工程とほぼ同じ手順を踏むからです。

これは、校正のために本番と同じ印刷機本番と同じ版(刷版)、そして本番と同じ紙を使用することを意味します。つまり、本番の印刷で使うインクの濃度や発色、紙との相性など、すべての要素を忠実に再現することで、完成イメージを正確に確認するのです。本機色校正などと言われます。

この工程は、本番の印刷と同じく時間と労力がかかります。試し刷りだからといって簡単なわけではありません。たとえば、両面印刷の校正の場合、通常は片面ずつ印刷して確認します。これは、印刷した紙をすぐに裏返して再度印刷することができないためです。このように、色校正は本番の印刷とほぼ同等の手間をかけて行われるため、費用がかさんでしまうのです。


デジタル出力による色校正も

最近では、オンデマンド印刷機を利用した色校正も主流になってきました。

オンデマンド印刷は、オフセット印刷に比べて版を必要としないため、比較的安価で短時間での校正が可能です。また、近年の技術進歩により、オンデマンド出力の色再現性はオフセット印刷の色味にかなり近づいています。

しかし、やはり厳密な色味を求める場合は、本機色校正をおすすめします。本機色校正は、実際の印刷機で刷るため、インクの定着具合や紙の質感など、オンデマンド出力では再現しきれない細かなニュアンスまで確認できます。

もちろん、本機色校正は費用も時間もかかりますが、「絶対にこの色味でなければならない」というこだわりがある場合や、クライアントとの最終確認には、費用対効果の高い選択肢と言えるでしょう。

色校正は、印刷物をより良いものにするための重要なプロセスです。予算や目的に合わせて、最適な方法を選ぶことが成功への鍵となります。

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この記事を書いた人

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