刷版(さっぱん)って何? 印刷の仕組みを解説!

こんにちは、城島印刷です。皆さんは「刷版(さっぱん)」という言葉を聞いたことがありますか? 普段、何気なく目にしている印刷物ですが、実はその裏側にはさまざまな工程があります。今回は、印刷の要ともいえる「刷版」について、分かりやすくご説明します。

刷版は「はんこ」の元!

刷版とは、簡単に言うと「印刷の元になる版」のことです。私たちは普段、文字を書くときに鉛筆やペンを使いますが、印刷ではこの刷版がインクを紙に転写する役割を担います。

想像してみてください。大きな「はんこ」を押すように、刷版にインクを付けて紙に押し当てることで、文字や写真が印刷されるんです。

なぜ刷版が必要なの?

では、なぜ刷版が必要なのでしょうか? それは、同じものを大量に印刷するためです。

オフセット印刷という一般的な印刷方法では、この刷版を使うことで、何万枚、何十万枚もの印刷物を安定した品質で、しかもスピーディーに作成することができます。まるで、一度作ったはんこを何度も使えるように、刷版があれば同じデザインを繰り返し印刷できるんです。

色数が増えるほど刷版は必要になる

印刷物には、1色で表現されるものから、フルカラーで表現されるものまで様々あります。実は、印刷する色の数だけ刷版が必要になります。

例えば、文字だけのシンプルなチラシで「黒1色」で印刷する場合、必要な刷版は1枚です。しかし、写真やイラストが入った**「4色カラー(フルカラー)」の印刷物の場合、色の三原色であるシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)に、黒(K)を加えた合計4色分の刷版が必要になります。つまり、4枚の刷版を使って、それぞれの色のインクを重ね合わせることで、美しいフルカラーの表現が可能になるんです。

ページが増えるほど刷版は必要になる

カタログや雑誌、書籍のようにページ数が多い印刷物ほど、刷版はたくさん必要になります。例えば、4ページごとに1枚の刷版を使う場合、100ページの冊子であれば、単純計算で25枚の刷版が必要になります。ページ数が増えれば増えるほど、刷版の枚数も増え、それに伴って費用もかかってきます。

オンデマンド印刷は版がいらない?

最近よく耳にする「オンデマンド印刷」という方法では、刷版が不要です。デジタルデータを直接印刷機に送って印刷するため、版を作る工程が必要ありません。

「デジタルデータを直接印刷」と聞くと、ご家庭にあるプリンターをイメージされるかもしれませんね。しかし、オンデマンド印刷で使われる機械は、家庭用プリンターとは比べ物にならないほど高性能な業務用印刷機です。プロの現場で求められる高精細で美しい仕上がりを実現し、必要な枚数だけを素早く印刷できるのが大きな特徴です。

少部数の印刷はオンデマンド印刷が有利

刷版を作るには、時間も費用もかかります。そのため、「少部数の印刷物」の場合は、刷版が不要なオンデマンド印刷の方が断然有利になります。必要な枚数だけを無駄なく印刷できるため、全体のコストを抑えることができるんです。

オンデマンド印刷、オフセット印刷ともに、現在の技術では高品質な仕上がりを実現できます。しかし、「大量に印刷する場合」は、刷版を使ったオフセット印刷の方が、印刷物一枚あたりの費用をより抑えられ、経済的です。


城島印刷では、お客様の印刷物の部数や色数に合わせて最適なご提案をいたします。刷版を使ったオフセット印刷が良いのか、刷版不要のオンデマンド印刷が良いのか、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

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